最初に買う将棋の本を、3冊だけ選びました
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先に、いちばん大事なことを書きます。
ルールを覚えるための本は、買わなくていいです。
駒の動かし方、成り、反則、棋譜の読み方。このあたりはコマドリの入門コースで全部読めます。盤を動かしながら確かめられるぶん、紙の本より分かりやすいところもあります。
本が要るのは、そこから先です。「ルールは覚えたのに勝てない」という時期に入ってから、はじめて本の出番になります。
勝てない理由は、3つの時間帯に分かれます
負けた対局を思い出すと、たいてい次のどれかです。
- 序盤で、何を指せばいいか決まらない
- 中盤で、駒はぶつかったのにどう攻めればいいか分からない
- 終盤で、勝っているのに詰ませられない
この3つは別々の問題なので、本も別々です。 ここに1冊ずつ選びました。
「将棋の本」で検索すると何百冊も出てきますが、最初に要るのはこの3方向だけです。戦法の本はそのあとで構いません。
序盤 ── 羽生善治の みるみる強くなる 将棋入門 序盤の指し方(池田書店・1,210円)
序盤で何を目指しているのかが分からない人向けです。
角の頭が弱いこと、大駒をどう働かせるか、玉をどう囲うか。駒を動かす順番ではなく、「なぜその順番なのか」を扱っているのが、この本の位置です。
羽生善治さんの監修で、シリーズは累計50万部を超えています。将棋の入門書としては、いちばん多くの人が通った本のひとつです。A5判で224ページ、図が大きめに取られています。
コマドリの「序盤に何をしているのか」を読んで、もう少し踏み込みたくなったらこの本、という関係になります。
中盤 ── 将棋・ひと目の手筋(マイナビ出版・1,364円)
駒がぶつかったあと、何をすればいいか分からない人向けです。
208問の問題集です。駒別の手筋、囲いくずし、端攻め、受け、必死の5章。実戦でよく出る形を部分図で出して、次の一手を答えるという形式なので、読むというより解く本です。
渡辺明さんの監修。2006年の本ですが、手筋は流行り廃りがないので、いまでも定番として挙がり続けています。432ページと厚いのは、問題と解説が見開きで収まる作りだからです。
中盤は、いちばん独学しにくいところです。 序盤は定跡があり、終盤は詰将棋がありますが、その間は形を知っているかどうかで決まります。この本はそこを埋めます。
ここで、3冊買う前の話をひとつ
3冊で4,059円です(2026年9月時点)。決して高くはありませんが、将棋を始めたばかりの段階で4千円を出すかどうかは、人によります。
Kindle Unlimited の無料体験なら、将棋の本もある程度読めます。読み放題の対象は入れ替わるので「この3冊が読める」とは書けませんが、将棋の入門書や問題集は対象に入っていることが多いジャンルです。合わなければ体験期間中にやめられます。
図書館という手もあります。将棋の入門書は置いている図書館が多く、問題集は借りて解いてみて、手元に置きたくなったら買うという順番でも困りません。とくに3冊目の詰将棋は、繰り返し解く本なので、買う価値があるかを先に確かめられます。
急いで買う必要はありません。 自分がどの時間帯で負けているかが分かってから、その1冊だけ買うので十分です。
終盤 ── 1手詰ハンドブック(マイナビ出版・1,485円)
勝っているのに勝ち切れない人向けです。
1手で詰む問題が300題。最初の80題がやさしい問題で、残り220題が標準的な問題という構成です。文庫サイズなので持ち運べます。
「1手詰なんて簡単では」と思うかもしれませんが、実戦で詰みを見つけられない原因のほとんどは、1手詰の形が頭に入っていないことです。3手詰や5手詰は、最後の1手詰が見えていないと成立しません。
この本は、繰り返し解く前提で作られています。300題を1周するより、同じ300題を3周するほうが効きます。1周目で解けなくても構いません。
コマドリの「実戦で詰みを見つける方法」が考え方の話だとすれば、こちらは形を体に入れるための本です。
3冊の使い分け
| 負けているところ | 買う本 | やること |
|---|---|---|
| 序盤で形が悪くなる | みるみる強くなる 序盤の指し方 | 読む |
| 駒がぶつかってから崩れる | 将棋・ひと目の手筋 | 解く |
| 勝勢から逆転される | 1手詰ハンドブック | 繰り返し解く |
3冊まとめて買う必要はありません。 ひとつずつで構いませんし、順番も自分の負け方に合わせてください。
読む本と解く本が混ざっているのも意図的です。同じ種類の本ばかりだと飽きます。 序盤の本を読むのに疲れたら詰将棋を解く、という切り替えができるほうが続きます。
本を買う前に、ひとつだけ
自分の対局を振り返れる状態にしておいてください。
どの時間帯で負けているかが分からないまま本を買うと、「読んだけど強くならなかった」で終わります。将棋のアプリはたいてい棋譜を残してくれるので、負けた対局を開いて、どのあたりで形勢が傾いたかだけ見てみてください。細かい検討は要りません。
序盤で差がついていたのか、中盤で駒損したのか、終盤で逃したのか。それが分かれば、買う本は1冊に決まります。
やり方は「ひとつ上に上がるための勉強法」で扱っています。
この3冊で足りなくなったら
3冊を一通りやると、次に何が足りないかは自分で分かるようになります。 そうなったら、戦法の本に進むところです。
このサイトの将棋定跡ガイドにも、戦法ごとの手順を1手ずつ動かせる形で置いてあります。本を買う前に、どの戦法が自分に合いそうかを試せます。
※定跡ガイドは暗い配色のページです。まちがいではありません。